33分探偵各話ストーリー
#01花嫁殺人をもたせる!!
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鞍馬六郎(堂本剛)探偵事務所に大田原警部(高橋克実)が駆け込んできた。大田原の部下、茂木刑事(戸次重幸)の結婚式に出席していたところ、隣の式場で新婦の吉沢京子(井上佳子)が殺害される事件が起きたのだ。が、六郎は「探してください」との置手紙を残して失踪中。大田原は六郎の代わりに、助手の武藤リカコ(水川あさみ)と共に現場に向かう。するとそこには、すでに到着し京子の死体を前に手を合わせる六郎の姿があった。そのかたわらでは式を挙げていた茂木が京子の着付け係の双子の女性に聞きこみをしており、その結果、双子はナイフを持って返り血を浴びた男が部屋から去る姿を目撃していたということがわかる。
直後、血だらけでナイフを持った男・山口(山本雅幸)が連行されてきた。一件落着とばかりに、山口を逮捕しようとする大田原。そこへ「果たしてそうでしょうか」という六郎の声が響く。六郎の助手のリカコはまた始まった…とあきらめ気味。「この簡単な事件、俺が33分もたせてやる!」という六郎の一言で周囲には緊張が走るのだった。
着付け係の双子に容疑を向ける六郎。遺産争い、モテないひがみ…と、動機を推理するがどれもかすりもしない。すると茂木から山口が犯行を自白したと報告が入る。山口は京子の元彼で結婚された腹いせに殺害したというのだ。しかし、六郎はそんな重大な自白には目もくれず、リカコに参列者の聞きこみを頼む。
すると、京子には巨額の保険金がかかっていたことが判明する。さらに茂木が余興に呼ばれていた大道芸人の証人を連れてきた。証人のパントマイムによると新郎の藤田(長谷川朝晴)が芝崎エリ(上野なつひ)と話していて、ナイフのようなものを手渡していたらしい。これは怪しいと六郎が藤田とエリを呼び出した。エリが藤田の元彼女と知った六郎は2人が共謀して京子を殺害したと推理。トリックの肝心な部分はサラッと流して犯行を証明していく六郎。案の定、犯行の立証はできず、まだ時間も余っている。困った六郎は証拠を求め、鑑識室に向かう。助手のアイ(野波麻帆)を相手に空気砲でスカートがめくれるかの実験に忙しい鑑識官(佐藤二朗)から、凶器のナイフから山口以外の女性の指紋が検出されたことを聞く。さらに情報屋(小島よしお)から山口がキャバクラ嬢に貢いでいたことを知った六郎は、ホテルの一室に関係者を集め謎解きを始めた。
山口が貢いでいたキャバクラ嬢とは実はエリだった。エリは京子の保険金が入った後に山口と結婚して離婚すれば多額の慰謝料が入ると計算していた。しかし犯行に及べず。一方、エリに関係を清算された藤田も自らの未練に気付き京子の殺害を思案。しかし、やはり犯行には及ばなかった。なぜなら自分より先に山口が京子を殺してしまっていたから。つまり犯人はやっぱり山口だったのだ。六郎の推理で33分は過ぎ、事件は解決をむかえた。
#02別送殺人をもたす
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鞍馬六郎(堂本剛)とリカコ(水川あさみ)は、大田原警部(高橋克実)の依頼を受けて富士見湖に向かう。何者かからの脅迫状が届き、安全のため湖畔にある別荘に避難しているおもちゃメーカー・宇宙堂の権藤社長(山田明郷)の警護のためと説明されるも、富士見湖が有名な霊感スポットだと聞きややおよび腰の六郎。そして、不気味にそびえたつ別荘を見上げる3人。
3人が自室にこもる権藤に挨拶を済ませ、茂木刑事(戸次重幸)、権藤の妻・美佐子(宮田早苗)、秘書の小宮山(飯田基祐)、お手伝いの吉田(片岡富枝)と食事をしようとしたその時、窓越しに権藤の異変を発見した庭師の木島(春海四方)の悲鳴が響き渡る。六郎らは慌てて部屋へ駆けつけるも、権藤はロープで首を吊りすでに息絶えていた。別荘の出入り口には警報機が設置されており外部からの侵入者がなかったことや遺書があったことから自殺と断定する大田原だが、六郎は異論を唱え33分もたせると宣言する。
かなり強引な仮説とまったく根拠のない美佐子との不倫疑惑を訴え小宮山に容疑をかける六郎だが、案の定、小宮山に一蹴されてしまう。六郎たちが情報収集に方々に散っていた頃、小宮山は誰かに電話で権藤の死を報告、美佐子は周囲をうかがいながら1人倉庫に忍び込み隠すように置いてあったロープを見つめていた…。
そんな中、大田原が絶妙なバランス感覚を持つ漁師から木島は元エリートだったが権藤によって別荘番にさせられたという情報を得た。それらを踏まえ六郎は木島がペットの犬のゴローや九官鳥にもはや芸の域を超えたビックリ芸を教え込み、それらを巧みに操って権藤を自殺にみせかけて殺したと推理。しかし、木島は権藤を恨むどころか感謝していた。
捜査が振り出しに戻り、鑑識を訪ねた六郎。いつものようにアイ(野波麻帆)に奇妙な実験をしていた鑑識官(佐藤二朗)は使用されたロープの強度が弱いこと、そしてロープから吉田の指紋が検出されたことを告げる。さらに、情報屋(小島よしお)から権藤を疎ましく思っていた社員がいることを聞いた六郎は別荘へ戻り一同を集めた。
ロープに残っていた指紋から吉田を逮捕しようとする大田原を止め、太いロープを美佐子に突き出す六郎。それは美佐子が倉庫で見つめていたものだ。六郎は、美佐子がこれで権藤を殺すように頼まれていたことを見抜く。素直に認めた美佐子を逮捕しようとする大田原。しかし六郎がまたしても止め、依頼したのは権藤本人だったことを暴く。社員に疎まれていることを感じた権藤は美佐子にロープで殺してくれと依頼。美佐子はそれを断ってロープを隠しただけだった。つまり、権藤はやっぱり自殺。六郎はそれを堂々と発表し、事件は解決をむかえた。
#03女子校殺人をもたせる
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女子校で教師が死亡した事件を捜査することになった鞍馬六郎(堂本剛)とリカコ(水川あさみ)。大田原警部(高橋克実)によると、被害者は化学教師の田所(古舘寛治)で放課後の理科室で1人晩酌中にいきなり亡くなったという。毒を盛られた形跡もなく心臓麻痺と考えられていたが、六郎は死体の腕に注射痕を発見。その矢先、茂木刑事(戸次重幸)が保健教師の手島(松田沙紀)を連れて来た。田所がカニアレルギーと知っていた手島は、セクハラの仕返しでカニエキスを注射したのだ。さらにパソコン画面には田所の残した“TESHIMA”の文字が。事件解決と思われたその時、「33分もたせてやる!」と宣言する六郎。
六郎は国語教師の海東(マギー)が惚れていた手島にセクハラを繰り返す田所が許せずに殺意を抱いたと推理。犯行時刻に音楽教師の小山(池田成志)と一緒にいた海東が席を外した5分間で田所を学園七不思議を利用して殺害したトリックを説明していく。しかし、突拍子のない推理は一蹴される。33分もたせなくてはならない六郎たちは聞き込みを始める。そんな中、音楽室では警察に“あのこと”を話すべきかと悩む校務員の木下(江良潤)を小山が制止していた。そこへやってきた六郎は2音だけピアノの調律がズレていることに気付く。
さらに鑑識官(佐藤二朗)から死因のカニアレルギーによるアナフィラキシーショックのほかに死体には蚊に刺された跡が多くあったことを聞く。また、生徒から“手島殺人計画”を立てたが木下に見つかって中止になったこと、情報屋(小島よしお)から田所と小山がもめていたという情報を得た六郎は1つの結論に達する。
職員室に一同を集めた六郎は、小山を犯人と断言。アナフィラキシーショックは2度の投与で起こる現象であることから、小山が席を外した5分間でカニエキスを吸わせた蚊を田所のそばに放ち体内に手島に続き2度目のエキス投入をしたと推理。すると、小山が朝礼で田所が歌う校歌が音痴だったことが許せなかったと殺害動機を語り出した。これまでにない、推理が当たりそうな気配を感じ戸惑う六郎、リカコ、大田原。やがて犯行過程はまるで違ったものの、小山が田所殺害を自供。過程の違っていた部分は「それも考えてました」とサラリと流して犯人を当てたことに大喜びの六郎たちだった。
#04女優殺人をもたせる!
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湾岸テレビ局内で女優が殺害される事件が発生した。鞍馬六郎(堂本剛)とリカコ(水川あさみ)が大田原警部(高橋克実)と共に女優、入江加奈子(遠野凪子)の殺害現場へ行くと死体はすでに運び出された後で、待っていた茂木刑事(戸次重幸)から死因はピストルによる銃殺で楽屋は中から鍵がかかっていたと報告を受ける。捜査が難航しそうな密室殺人に意気込む六郎や大田原だが、すでに犯人は逮捕されていた。犯人は食堂でバイトをしていた後藤信吾(本多力)で、ファンだった加奈子から嫌いと言われたことを恨み犯行に及んだと自白していた。が、ここで終わらせるわけにはいかない六郎はこの事件を33分もたすと宣言。
六郎は、普段から高圧的な態度でこき使われていた加奈子のマネジャー・島田(山中聡)に容疑をかける。しかし、島田が加奈子と付き合っていたことを告白。捜査は振り出しに戻る。聞きこみの結果、5日間寝ていないAD(濱田岳)から次期連ドラの主役が女優の松本りんこ(高橋かおり)から加奈子へ急遽変更されたという証言を得た。情報屋(小島よしお)によると加奈子がプロデューサーを色仕掛けで口説いたらしい。殺害動機はあるもののりんこには完璧なアリバイがあった。
33分もたせることが困難になってきた六郎は焦りを隠せない。そんな矢先、現場の楽屋に戻ってきた六郎はスリッパの下にピアスを発見した。それがりんこのものだと判断した六郎は、りんこがおこなったであろう死後硬直をトリックに用いた犯行を推理しアリバイも崩していく。しかし、その推理はあっという間に却下された。そこで鑑識室に向かった六郎は、鑑識官(佐藤二朗)から体を貫通していなかった弾丸が死体に残ってなかったことを聞く。なんと加奈子を狙った弾丸は岩塩でできていたのだ。新たな情報を事件と照らし合わせた六郎はやがて1つの結論に達した。
スタジオに一同を集めた六郎は、犯人がすでに捕まって自白もしていた後藤であることを告げる。そして事件は解決したのだった。
#05お見合い殺人でもたす
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フレンチレストランにやってきた鞍馬六郎(堂本剛)とリカコ(水川あさみ)。少し離れた席で見合いをしている大田原警部(高橋克実)にアドバイスを頼まれたからだ。レストランのオーナー・中田修二(大高洋夫)の妻・めぐみ(阿南敦子)が、いつまでも独身の親友・前島慶子(堀内敬子)を心配して見合いを一方的に計画。修二の大学時代の友人である大田原に話が回ってきたのだ。すっかり舞い上がっている大田原に慶子は意外にも好感触。しかし慶子がトイレで席を外した直後、店内に悲鳴が響き渡った。バルコニーに駆けつけた六郎とリカコと大田原は、背中から血を流しうつ伏せで死んでいるめぐみと、その脇でナイフを片手に呆然とへたりこんでいる慶子を発見する。めぐみを抱きかかえて悲しむ修二は大田原に慶子を逮捕するように訴えるが、大田原は好意を抱く慶子の逮捕を躊躇してしまう。すると六郎の「果たしてそうでしょうか?」が飛び出し、事件を33分もたせることを宣言する。
警察署に連行された慶子は、幸せそうなめぐみを妬ましく思っていて次々と男性を紹介してくることにも苛立っていたと自供。レストランに戻ってきた茂木刑事(戸次重幸)が状況から見ても慶子が犯人で間違いないと報告するやいなや六郎は事件発生直前に店内で大ゲンカしていた夫婦に容疑をかける。夫婦ゲンカの末、妻を殺そうとした夫が仲裁に入っためぐみを誤って殺してしまったという六郎の推理は完全なアリバイの前に瞬時に崩れ去る。
そんな矢先、六郎たちはレストランの隣人から中田夫婦は修二の浮気が原因でケンカが絶えなかったとの証言を得た。さらに鑑識官(佐藤二朗)からめぐみが鋭利な刃物で刺されていて傷口から魚類エキスが検出されたことを聞いた六郎は、めぐみの存在を疎ましく思っていた修二が学生時代に培ったアーチェリーの腕前を生かし、魚を矢の代わりに飛ばして殺害したと推理。しかし、ありえない状況にあっさり却下される。そして、情報屋(小島よしお)から修二の浮気相手の1人が離婚を迫っていたことを聞いた六郎は、ある結論にたどり着く。やはり犯人は慶子だった。申し訳なさそうに告げた六郎に大田原は元気を装うのだった。
#06連続殺人をもたせる!
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山の神様が突然村人の魂を奪って行くという言い伝えが残る玉取村で老人の不審死が続いた。鞍馬六郎(堂本剛)とリカコ(水川あさみ)は大田原警部(高橋克実)の依頼を受け死の真相を調べるため玉取村に向かう。先に到着していた茂木刑事(戸次重幸)の報告によると2人目の被害者・スズに外傷や毒物反応はなかった。高齢であったことから自然死で解決しようとする大田原だったが、案の定、六郎は言い伝えを利用した殺人であると主張し事件を33分もたせることを宣言した。
村人たちは1000年に1度の神様が怒り出す年に相次いで起こった不審死に恐れおののいていた。六郎は神社の屏風に飾られた3つの俳句に注目。すでに起こっている2つの事件を強引に俳句に結びつけると、残った1つの句になぞらえた殺人が起こると予言する。3件目が起こる前にとさっそく捜査を始める六郎たち。すると、亡くなった2人が東京から来ていた妙な男に土地を売り渡すように脅されていたとの情報を得た。そんな中、3人目の犠牲者が出た。この連続殺人が残りの時間で解決できるか不安になり焦り出す六郎。一方、地上げ屋の三島(田中要次)は村に警察が来たことを察し動揺。村長や神主や亡くなったスズと親しかった大杉は容疑が地上げ屋に向いていることに困惑していた。
村のあらゆるところに咲いているスズランを見つめ、何かを思いついた六郎はヒントを求め鑑識室に向かった。鑑識官(佐藤二朗)から死んだ3人には相当やりこんだゲートボールのタコがあり、体からは強心作用のある物質が発見されたと報告を受ける。村に戻った六郎がリカコ、大田原、茂木と寝ていると三島が足音を忍ばせ近づいて来た。三島の手に握られたナタが六郎らに振り下ろされようとしたその時、茂木が偶然目を覚ました。逃げ出した三島を追いかけ、連続殺人事件の犯人として逮捕しようとする茂木に三島は犯行を否定。六郎も殺害方法の相違を指摘して三島の犯行ではないと言う。大杉が自慢のゲートボールの腕前を抜かれ好意を抱いていたスズの心まで奪ったライバルが許せずにスズランの毒素を用いて殺害したと推理。完璧かと思われた推理だが大杉は否定。解決の糸口をみつけるため情報屋(小島よしお)の元へ向かった六郎は、言い伝えを真実と思わせることで儲かるのは神主だと聞く。再び村に戻った六郎は、神主も言い伝えに怯えていた1人であることから3人の死は老衰であると断言するのだった。
#07ミュージカル殺人をもたせる!
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ミュージカル鑑賞にやって来た鞍馬六郎(堂本剛)とリカコ(水川あさみ)。ミュージカルが苦手な六郎はテンションが下がり気味だ。劇場には偶然来ていたアイ(野波麻帆)の姿もあった。同じ頃、劇場のリハーサル室では女優の三木いずみ(原史奈)が演出家の芦田(大石継太)から演技をけなされ灰皿を投げつけられていた。いずみを心配そうに見つめ、芦田の去った先を睨みつける役者やスタッフたち。
ステージが始まると、芦田の死体が舞台上に転がり出てきた。最初は演出と勘違いしていた六郎たちだが、役者やスタッフの慌てぶりから事件と察する。捜査に意欲を見せる六郎だが、茂木刑事(戸次重幸)が犯行を自供したいずみを連行してきた。舞台に出ない5分間を利用して殺害したと話すいずみの手が小さく震えていることに気付いた六郎は誰かをかばっていると判断し、大田原警部(高橋克実)らに事件を33分もたせると宣言する。
演劇通のアイからいずみと芦田が付き合っていたウワサがあることを聞き、いずみの容疑はますます深まるばかり。楽屋では役者とスタッフが集まり公演を続けるべきか話し合いが行われていた。公演続行を強く希望する役者の石橋(北条隆博)が芦田を恨んでいると察した六郎は石橋の犯行と推理。しかし石橋は犯行時刻に舞台袖にいたことが明らかになった。聞き込み中、スタッフの狩野(佐藤正和)、役者の吉村(山本泰弘)、演出助手の大蔵(古山憲太郎)がもめている声を聞いたリカコとアイは舞台袖にいた六郎の元へ報告に行くが、直後、ワイヤーが切れて照明が落ちてきた。とっさに2人をかばった六郎は血を流して舞台に倒れる。その一部始終を離れた所から見ていた何者かがいた…。
なぜか軽傷だった六郎は鑑識官(佐藤二朗)から芦田絞殺に使われた素材が金属状だったことを、情報屋(小島よしお)からは照明スタッフの山岡(八十田勇一)がいずみに惚れていたらしいと聞く。劇場に俳優陣とスタッフを集めた六郎は、真犯人は山岡だと告げた。山岡は形状記憶のワイヤーを使い芦田を殺害。山岡の犯行を知ったいずみは、山岡が25年前に生き別れとなった実の父親だと知っていてかばったと続ける。すると山岡が犯行を認めた。推理が当たり浮き足立つ六郎たち。しかし、いずみと山岡は親子ではなく恋人で犯行過程もまるで違った。ともあれ山岡は逮捕され事件は解決をむかえたのだった。
#08誘拐殺人をもたす
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小学生の誘拐事件が発生した。鞍馬六郎(堂本剛)とリカコ(水川あさみ)に協力をあおぎ、被害者宅に向かう大田原警部(高橋克実)。被害者宅では茂木刑事(戸次重幸)が逆探知装置を装着していた。六郎が両親に犯人からの電話には冷静に対処するように忠告した矢先、犯人から電話がかかってきた。激しく動揺する大田原と茂木を尻目に電話に出た父・真一(大河内浩)に犯人は3時間後に3千万円を近所の公園に持ってくるように指示する。電話の様子から犯人は公園で簡単に逮捕できそうだと判断した大田原たちだが、六郎はこの誘拐事件を33分もたせることを宣言する。
公園で遊んでいる子供たちに危険が及ばないよう受け渡し場所の変更を申し出るべきと訴えた六郎は、直後にかかってきた犯人からの電話に出てしまう。とっさに祖父と偽り場所変更をお願いすると、犯人はあっさり受け入れた。1時間後に駅前に母親がお金を持ってくるように指示を出され、犯人が家族の顔を知らないことからリカコが母親の代わりに現金を持っていくことに。
1時間後、駅前に現金を持って立っているリカコの携帯に犯人から電話が入った。ヘンテコな指示を出してくる犯人に戸惑うリカコだが、離れた場所で様子を見守っている六郎にトランシーバーで従うように言われ渋々と従う。そんなリカコを気の毒そうに見つめる大田原と茂木。リカコがひとしきり芸を披露し終わると、犯人は喫茶店への移動を命じ、そこで子供の無事を確認できるビデオを渡すという。喫茶店にビデオを持って現れた腹話術師を捕まえた大田原だが、腹話術師は雇われただけ。ビデオで子供の無事は確認できたものの犯人からの連絡は途絶えてしまい、ヒントを探しに鑑識へ向かった六郎。鑑識官(佐藤二朗)は、ビデオや電話の音を分析し、背後に鳥の鳴き声と船の音が入っていることを教えた。さらに情報屋(小島よしお)から犯人は公園をうろついていたフリーターの男(ムロツヨシ)でアジトは湾岸の倉庫だと聞く。
数時間後、犯人の指示によりヘリポートにやってきたリカコと離れて様子をうかがう六郎たち。しかし約束の時間に現れたのはおもちゃのラジコンヘリだった。犯人が楽しんでいることを感じたリカコは電話越しに犯人を怒鳴りつける。それを聞いた犯人は次の指示を出し、できなければ“ジ・エンド”と告げる。しかし、犯人に翻弄されるまま時間切れになってしまった。慌ててアジトに乗り込んだ六郎たちは犯人と鉢合わせる。格闘の末、犯人は捕まり子供は無事に保護されたのだった。
#09船上殺人をもたす
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懸賞に当たり豪華客船・ロイヤルウイング号でランチをとることになった鞍馬六郎(堂本剛)とリカコ(水川あさみ)と大田原(高橋克実)。同じ頃、児玉一郎(小倉馨)の誕生日パーティーを開くため児玉一家も船に乗り込んでいた。部屋に入るやいなや父の一郎に借金を頼み込む長女・由紀子(山口香緒里)、社長の座を譲るよう訴える長男・総一郎(長谷川博己)と児玉一家は険悪な雰囲気に包まれる。出港後、六郎たちがステージを楽しんでいると突然船体が大きく揺れ船内に女性の悲鳴が響き渡った。悲鳴が聞こえた個室前へ駆けつけると、部屋の中で頭から血を流し絶命している一郎の姿が。指先には血で書かれた"赤"という文字が残されていた。捜査にやる気を見せる六郎の前に、茂木(戸次重幸)が赤いシャツを着て血まみれの男・進藤(豊永利行)を連行してきた。六郎は自白をする進藤を犯人じゃないと断言、事件を33分もたせると宣言する。
六郎は、一郎と仲が悪かった家族全員が犯行にかかわったと推理。共謀すれば殺害は可能であることを無理のあるトリックを用いて説明していく。すると、そこへ鑑識官(佐藤二朗)とアイ(野波麻帆)が現れた。鑑識官の見解により六郎の推理は崩れ、捜査は振り出しに戻った。
一同が聞き込みに走る中、船内の倉庫ではバンドマンの鶴田(迫田孝也)が、以前メンバーの風見(岡田義徳)が一郎の名前を口にしていたことを思い出す。慌てて否定する風見。そこに六郎とリカコがやってきた。六郎は風見らが持っていたギターケースに注目する。直後、犯人らしき男を見たという目撃者が現れ、赤い布をかぶり手には大きな黒い荷物を持っていたと証言。さらに情報屋(小島よしお)から、風見は一郎に会社を乗っ取られた男の息子であることを聞く。
六郎は船のデッキに児玉一家、風見、鶴田を呼び出し犯人は風見だと告げる。そんな六郎の強引な推理を進藤が遮った。再び自白する進藤の「むしゃくしゃしたから」という犯行理由を非難した六郎に逆上した進藤が拳銃を放った。胸を押さえ倒れる六郎。
後日、探偵事務所に大田原が飛び込んできた。捜査協力にやる気を見せる六郎とリカコ。船で撃たれた六郎だったが、リカコの折れたヒールを胸ポケットに入れていて助かっていたのだ。六郎、大田原、リカコは新たな事件現場に向かい…。
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